Vietnamびじねすりぽーと

ベトナムで生活する若者が綴る、安定的に肉を手に入れるまで。

【音楽感想】 Faust / Faust

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ドイツのクラウトロックとかいう、よくわからないジャンルとして扱われるバンドの71年作ファーストアルバム。

通称”ゲンコツ”らしい。

こぶし握ってるようには見えないのだけど。

 

クラウトロックっていうのは60's末~70's前半あたりのドイツの実験的バンドの総称です。

このジャンルは実験である以上、他と違うことやってるバンドが多く、

どんな音かと言われてもバンド毎に全然違います。

 

今日でいうポストロックとかの意味合いに近いですかね。

 

クラウトはドイツ料理ザワークラウトのクラウトらしいです。

あれ嫌いです。

 

代表的バンドにクラフトワークがいるせいで、

クラ「フ」トロックと勘違いするケースが続出しております。

ご注意ください。

 

まして玄人ロックではないので。

しかし私を含めて音楽通ぶりたい輩が聴くジャンルなので、

玄人(っぽくみえる)ロックなら、あながち間違いではないかな。

 

そのくらいイメージとしてはとっつき難いジャンルです。

 

しかし、実際は全体的に聴きやすい作品が多いかと思います。

構成やメロディなどはとっつき難いけど、

音そのものは原始的興奮を喚起させるというか、

まぁわりとノリの良い音を鳴らすバンドが多いです。

 

このアルバムもそういう、

一見アレだけど聴きやすい作品ですね。

 

内容は全部で三曲。

それぞれ9分30秒、8分、16分30秒。

 

長い。

 

ほんとに一見アレですね。

  

一曲目Why Don't you eat carrotでは、
かっこいいノイズの中ストーンズやビートルズの有名曲が流れるというお茶目なオープニングから、
ピアノがなったり変なアンサンブルやコーラスがコラージュされます。
 
でもその展開は別に目まぐるしくないし、
部分部分はポップですし、
プチプチと切り貼りされているので普通に聴けます。
 
途中プログレっぽいリフが入るんですが、普通にロックです。
 
んで途中歌います。
歌うのかよって思いました。
 
ギターは硬質でヒリヒリした感触で、
そのあたりはCANと近いですね。
多分コラージュとかなければ、アルビニっぽいプログレみたいな感じになるんでしょう。
 
まぁアルバム全体がだいたいこんな感じの
断片的な音楽のコラージュによってに進みます。
 
なので極端に意味不明の音が長く続くことがありません。
 
二曲目MeadouMealの途中では
ラップぽい英語の掛け合いがあります。
ラップの誕生は60年代NYのローカルパーティ、
HipHopが広まったのはずっと後ですので、
71年ドイツの作品でコレはかなりナウいんじゃないでしょうか。
 
三曲目は一番長い曲なんですけど、
トライバルなリズムが徐々に盛り上がっていく構成や
右に左にのたうつサウンドなど、
耳を引く部分が多くて聴いてて楽しいです。
最後はアルペジオのなか英語割ゼリフ。
nobody knows If it really happened !
(合ってるか?)
 
何度も言うようですが、
全体的に音そのものはポップで聴きやすいので、
気合入ってなくても聴けます。
延々同じ曲が続くRancidのアルバムを完走するよりよっぽど楽。
 
逆に言えば、そこまで考え抜かれた構成ではなく、
所詮色物と言われればそこまでですかね。
それはやはり、パイオニアならではの粗さというか。
でもそういう人がいないと次は無いというか。
 
なので後進に与えた影響は大きかったと思います。
あーGSY!BEっぽいとかボアダムスっぽいとかビーフハートっぽいとか。
実際知らんけど。
 
ロックの歴史は、
「こんなこともやっていいのか!」
っていうのの繰り返しだと思いますし。
 
 
評価:★★☆
 

 いや、昨日ルー・リードがお亡くなりになったみたいで、

Velvetsのレビュー書こうと思ったんですが、

何か言葉が足りなかったのでFaust書きましたんです。

 

昨日27日は日曜日。

「Sunday morning」に亡くなったんですかね。

死因は「Heroin」じゃなかったみたいですね。

 

今日はSister Rayを聴きました。

 

やっぱり今日も

「こんなこともやっていいのか!」

って思いました。

 

ご冥福をお祈りいたします。