Vietnamびじねすりぽーと

ベトナムで生活する若者が綴る、安定的に肉を手に入れるまで。

村井慎二を忘れない

もし、歴代日本代表で最もフェイバリットなイレブンは?と問われたら、多くの人がこう答えるでしょう。

 

川口能活

坪井慶介

井原正巳

長友佑都

内田篤人

阿部勇樹

小野伸二

礒貝洋光

山瀬功治

三浦知良

久保竜彦

だねっ

て。

 

私も、基本的には異論ございません。

しかし、一人だけどうしても入れたい選手がいます。

マイフェイバリット左SB、村井慎二。

 

本日、村井慎二選手が現役引退を発表しました。

 

初めて村井選手を見たのはジェフ市原時代、夜のスポーツニュースだったと思います。

その日の試合のハイライト、村井慎二の左足から放たれた矢のようなピンポイントクロスに、僕の目は釘付けになりました。

それまで、日本人のクロスと言えば、ぷわわ~んって感じで、なんかみんな競って、こぼれて、ゴンが蹴りこむ、ってイメージでした。

てか”センタリング”って呼んでました。

しかし村井慎二のクロスは、・・クソッ!”クロス”が何回やっても”聖衣”って変換される・・・、村井慎二のクロスは、そのスピード、低い軌道、シャープな曲がり方、精度、そしてどう考えてもそこに飛んでいく気のしない蹴り方、何もかもが”センタリング”と違っていました。

これが、”クロス”か・・・

もうベッカムベッカム、まじベッカム。

その瞬間から僕は村井慎二のファンになりました。

あと、それを恐れることなく突っ込んでくるチェヨンスの根性と首筋が凄ぇなと。

 

次第に日本代表候補として名前が上がるようなり、「もうアレックス外して、村井から久保に蹴りこみまくればワールドカップでも勝てんじゃねモケケケケ」と、ひとり興奮しておりました。

「2006年6月、世界は村井を知る(キリッ」とか言ってました。

あの5月、キリンカップ ブルガリア戦までは。

 

その試合、先発出場した村井は、ジャンプトラップから着地したときに左膝前十字靭帯を断裂し、同時にワールドカップの夢を断たれました。

 

2007年に磐田に復帰したのですが、リアルファンの皆様の見識は存じませんが、私としては以前のキレ、ドリブルの推進力やクロスの質を含めてですが、往時のキレを完全に取り戻すことはかなわなかったと思っています。

 

その後は千葉に戻ったり大分に行ったり社会人リーグ行ったりして、本日現役”完全”引退の発表とのことでした。

 

日本代表キャップがあって本当に良かった。

ニュースになるから。

いつの間にか引退してたら、ほら僕、悲しいですものね。

 

多くの人が、礒貝に、小倉に、小野に見た”たられば”の夢を、僕もまた村井慎二に見ていたんです。

今、村井のクロスが見たくてYouTubeを検索しても、あまり出てきません。

これを期に、リアルファンどなたかがまとめていただけるとありがたいのですが。

しかしそうでなくとも、僕は村井慎二を忘れないィ!

リフティングでも股抜きでもオーバーヘッドシュートでもない、”ちょっと違う”フットボールの素敵を教えてくれた、あのクロスを忘れないィ!

 

今後は大学で指導をされるとのことで。

変態クロサーの育成を何卒お願いしゃす。

 

ちなみに世界歴代フェイバリットイレブンなら、

左サイドバックにグロッソいれます。

あのヌルヌルしたドリブルがたまらなく好き。

あんな感じの気持ち悪いドリブルから村井ばりのシャープなアーリークロス蹴れる選手に出てきてほしい。

山中亮輔選手なんかはとても良い選手なのですが、どうも”アスリートたれ!”みたいな感じがして、そんなんじゃ世界で通用しても僕のお眼鏡にかないませんよ!

左サイドってのは戦場ではありません、アトリエなんです。

by村井慎二

 

ごめんうそ、そんなん言ってない。

 

また、同日に柴原誠も引退を発表しました。

清水ジュニアユースの天才少年

西の宇佐美 東の柴原

子どもの頃からその才能を賞賛され続けた、まだ22歳の選手の引退。

プロの世界の厳しさを痛感しますね。