史上初6冠!!と言われてもなんのことだかわからないですが、いろんな賞を獲って話題沸騰のフランス産ミステリー小説「その女アレックス」を読みました。
なんか「ミレニアム」依頼の衝撃!!とか言われますけど、ミレニアムって「クソ面白い」以外の衝撃なんかないと思うんですが。
内容に関しては、いやぁ、ネタバレなし書評なんか書きようがないですね。
倒叙モノでミッシングリンクでワイダニットでっつっても、そういう話じゃないというか、既にネタバレしてるというか。
構成がおもしろいよね。(投げやり)
だから脇役の一人、ルイ刑事の服について書きましょう。
そうしましょう。
ルイ刑事は、事件の捜査を指揮するカミーユ警部(主人公)の部下で、家が金持ちで、容姿端麗で、博識で、着道楽なのに、何故か刑事になり、上司を尊敬し、一生懸命働く好青年です。
なにその超人。俺か。
スピンオフができるのは確定的に明らか。
作中でも、そのシックなブランド服の描写が度々出てきます。
最初は徹夜明けの警視庁本部で
”カミーユはルイの服装に目をやった。ブルックスブラザーズのスーツ、ルイ・ヴィトンのタイ、フィンズベリーのローファー。ソックスはどこのブランドかわからないが、どうせこちらが知らない名前だろう。いつもどおり地味にまとめているが、やはり粋だ。”
とのこと。
よく見てるなカミーユ。ちょっとキモいよ。
スーツはアメトラの雄、ブルックスブラザーズ。
フランス人も着るんですね。
割とズドーンとした感じの金ボタン紺ブレのイメージが強いので、フランスオシャレンヌっぽくない気がしますが、そこはルイ刑事、シックに着こなしていることでしょう。
タイは上司のオッサンがぱっと見ただけでヴィトンとわかるってことですから、例のあの柄なんですかね?それとも先端のロゴを見たか。
ルイとは4年ぶりに再会して、ほぼプライベートな会話はしていないわけですから、以前そのネクタイの話題になったとは考えにくいです。
まぁ刑事なんで、モノを見て判断するための知識は多く持っているということでしょう。
靴はフィンズベリーのローファー。
私、わりと靴が好きなんですが、このフィンズベリーって知りませんでした。
サイト見る限り、フランスのブランドっぽいですね。
ローファーはこんな感じ。
いや、ローファーがペニーローファーかは知らんけど。
210ユーロってことは3万円程度なので、そんなに高くはないですね。
ブルックスのスーツにペニーローファーって、もろアメトラじゃん。
これでタイもブルックスのストライプ、靴もオールデンってしちゃうと露骨さ武骨さが前面に出ちゃうので、靴はフィンズベリーにして、ヴィトンとタイで上品に仕上げたといったところでしょうか。
おっしゃれー(はーと
次は
”ルイの今日のいでたちは、キートンのグレーのスーツ、ステファノ・リッチのタイ、ウェストンの靴”
という格好を、もう一人の部下であるアルマン刑事の全身不要品在庫一掃セール服と比較するシーンですね。
キートンと聞くと喜劇王バスター・キートンを思い出してアメリカのブランドかと考えてしまいますが、Buster”Keaton”ではなくKiton、イタリアはナポリのブランドです。
クラシコイタリアを代表するブランドで(ネット情報)、美しく、そして艶のある、まさに「伊達男」が好むスーツです(ネット情報)。
あ、軽くて着心地がいいのが特徴みたいっす(投げやり)。
オーダーだと100万弱するのではないでしょうか。
ステファノ・リッチもまた、イタリアはフィレンツェ創業のクラシコイタリアブランドです。
ステファノ・リッチと言えばプリーツタイ。
プリーツタイといえばステファノ・リッチ。ここテストでるよ。
ネクタイの表面にプリーツ(なんかピラピラしてるの)がついており、立体感が出てオシャレです。
日本で買うと4万くらい。高い。
ウェストンの靴ってのはJ.M.Westonのことですね。
日本で一番有名なフランス靴ではないでしょうか。(ベルルッティはイタリア靴だと思っております)
ローファーとVチップのイメージが強いです。
靴としか書いてないので、どんなん履いてるかはわかりませんが、私が個人的に一番好きなJ.M.ウエストンの靴はクロコローファー。
超カッコいい。
キートンの艶やかなスーツに、ステファノ・リッチのプリーツタイ、そしてJ.Mウエストンのクロコローファーのコーディネート!
こいつ、仕事舐めてるんですけど!
これフランス的には”いつもどおり地味にまとめている”のか?
次は
”ルイはちょうど帰り支度をしていた。アレクサンダー・マックイーンのコートをはおりかけたところで、カミーユを見るとそのままの格好で目を丸くした”
アレキサンダー・マックイーンといえば○タン・○ジェラと同じくらい、度が過ぎる服ってイメージですね。
仕事に着ていけるコートとかあるのかと思い画像検索してみると、
こんなんとか、
こんなん。
やっぱこいつ仕事舐めてるんですけど。
最後は取調室にて
”ルイが机に向かっている。今日の服装はブリオーニのスーツ、ラルフローレンのシャツ、フォルツィエリの靴。”
互いに疲弊する尋問の時ですらオシャレを忘れないルイ刑事ステキ。
ブリオーニはローマの高級ブランドです。
同じイタリアスーツと言えど、上記のキートンのようなナポリスタイル(クラシコイタリア)とは全然違うスタイルとのこと。
へぇ~画像見てもわかんない。
ローマスタイルのブリオーニは、高級な素材を活かした軽くて素晴らしい着心地が特徴らしいです。
全然カブってんじゃねぇか。
それにご存知アメトラ東の横綱ラルフローレンのシャツの組み合わせですね。
タイ書いてないからノータイってことですかね。
ということはシャツはオックスフォードタイプかな。
フォルツィエリはわかんね。
調べてもイタリア通販ショップばっかりでるけど、これのことなんかな。
ちょっとオーバープロデュースな感じがしますが、ブリオーニxラルフローレンのトラッドな組み合わせにアクセントを付ける意味合いなんでしょうかね。
取り調べ中に足元でアクセント付けてくるルイ刑事ステキ。
以上、ルイコレでした。
気になるのはアレクサンダーマックイーン以外イギリス勢が無いってこと。
紳士服と言えばイギリスだとばかり思っていたのですが、そこは宿敵パリジャン。自国とイタリア、ラテン系紳士アイテムをガンガン取り入れていますね。
さすがフランスのオシャレさんは違う。
スピンオフではプライベートファッションの描写もよろしくお願いします。
あ、この本はミステリ的にどうかと思うけど、面白いし心に残るから読んだ方がいいですよ。