Vietnamびじねすりぽーと

ベトナムで生活する若者が綴る、安定的に肉を手に入れるまで。

ベトナムびじねすトーク~出張編~

このブログ、名前が「Vietnamびじねすりぽーと」なんですが、ベトナムのこともビジネスのこともほとんど書いてないことに気が付きました。これでは名前倒れとなってしまうので、たまにはベトナムビジネスのことも書こうと思います。

先日の話ですが、出張でハイフォンという北部の港湾都市まで行きまして、そちらで一泊してきました。

ハイフォンは元々北部の流通のキモとなる街ですが、特にここ最近は富士Xeroxやブリジストンといった名だたる大手日系企業の進出が顕著で、日本人も増え、経済的にも発展しつつあります。

そんな活気ある街で、昼間はちょちょってお仕事してました。

そして夜は、「ビアホイ」というベトナム式ビアガーデンに行き、ハイフォン名物の海産物をたらふく食い、ビールもたらふく飲んで帰りました。

ホテルに戻ったのは夜10時くらいだと思いますが、移動の疲れと酒の酔いで既に眠くなっておりました。

ですので、すぐにシャワーを浴び、水を飲み、電気を消して、もう寝ようと目をつむりました。

するとすぐに、どこからともなくパチパチと音がし始めました。

枯れ枝で焚火をするときのような、実際はもっともっと小さいですが、あんな音です。

最初はゴキブリかネズミ(ベトナムはネズミが普通にいます)がガサゴソと動いているのかと思い、ビックリして体を起こし電気をつけました。

恐る恐る辺りを見回しましたが、それらしいものは見当たりません。

耳も澄ませましたが、電気を点けた途端、あの音はどこかへ行ってしまったようです。

高めに設定したクーラーの音だけが聞こえてきます。

さっきの音は気のせいかと思い直し、再度電気を消し横になりました。

するとまたパチパチと音がするんです。

どうやら右側にあるクローゼットから聞こえてくるようです。

このクローゼットは横が150センチほどで、左側1メートルは観音開きの扉の中にハンガーなどがかかっており、右側50センチは本棚のように上下3段に仕切られ、アメニティやら洗濯カゴやらが置いてありました。

僕はまた電気を点け、音の正体を突き止めてやろうと、クローゼットを空け、気が引けながらもあちこちを探ってみました。

洗濯カゴをずらしたり、予備の毛布を突き動かしたり。

しかしゴキブリやネズミの姿かたちも見えず、気配すらありません。

やはり、いつの間にやら音は消えています。

おかしいな、やはり気のせいなのかと思いましたが、それと同時に別の恐怖が首をもたげてきました。

これ、、、もしかして、霊ってやつでは?

 

一瞬、体が固まりましたが、そうであるならば最早考えても仕方がありません。

恐怖にかられながら、もう寝てしまおうと思い、また電気を消しました。

すると、またパチパチ音が鳴るではありませんか!

ここで遂に、私の恐怖が閾値を越え、怒りへと転化しました。

電気を点けるやいなや飛び起き、音が鳴っていた辺りのクローゼットと洗濯カゴに思い切りゲシゲシと蹴りを入れながら、心の中で恐怖と怒りの叫びをあげました。

いい加減にしろよ!怖いじゃないか!

一通り足蹴にした後、恐怖と突然の運動で息が上がりながらも、今できる最大限の殺意を眼に宿らせ、辺りをねめつけました。

 

すると、微妙に空気が変わったように感じました。

今まで目の前にいた重苦しい塊が、急にいなくなったように思えました。

虚勢ながら私の迫力に気おされして、霊も無事成仏できたのかもしれません。

私は霊感がそれほど強い方ではありませんが、少し安心することができました。

 

このまま終わってくれれば良いなと思いながら、とりあえずまた電気を消して横になりました目を閉じました。

眠ろう眠ろうと心で思っていても、どうしても耳だけは澄ませてしまいます。

・・・パチパチ音は聞こえません。

エアコンの風の音がするのみです。

やはり、どこかへ行ってくれたようです。

私は、これでやっと眠れると胸を撫で下ろしました。

緊張から開放されたからか、酔いと疲れがドッと出てきて、私の意識はゆっくりと沈んでゆきました。

そうしてまどろみに片足突っ込んだくらいのタイミングでしょうか、瞼の向こうが明るくなったような気がしました。

夢うつつの中、トンネルの出口が見えたような、そんな気分になりながらも、私はボォっと眼を開きました。

すると化粧台に置いてあるテーブルランプがボンヤリとした光を放っていました。

さきほどまでは真っ暗闇だった部屋で。

 

・・・怖ぇええっぇええええ!!!怖ぇえよぉぉぉおおおお!!あっちゃ移動しただけじゃなかかこんバカタレがぬしゃなんばしょっとやてふざくんなぞなんでこの俺がこんな田舎町くんだりまで来てやっとっちかこぎゃんバカんごたる目に合わんといかんとやてコラだっがおかげでこん町が潤いよっとかだっがえらしこ金ばかけよっとかわかっとっとやブリジストンだろたい富士ゼロックスだろたい日系企業のおかげだろたいLGとか知らんくそれっちかこぎゃんいらんこつばっかしてかおうちゃっかぞ俺ぁそぎゃんとが一番すかんつたいこっからのこん町んこつば考えとんなら今すぐ出てけてこんアンポンタンが!!!

みたいなことを小声で早口にまくし立てました。

テーブルランプのコンセントを引っこ抜いて叩きつけました。

あらん限りのオーラを放ちましたが私は操作系ですので思念体には通用しませんでした。

塩の替りに部屋備え付けのインスタントコーヒーを撒き散らしました。

そしてベッドに潜り込み般若心経(現代語訳)を唱えながらひたすらに眠りが包み込んでくれるのを待ちました。

 

気が付いたら朝でした。

 

外はすでに明るく、なんら恐ろしいものの気配は感じられませんでした。

ただテーブルランプのコンセントは抜かれ、インスタントコーヒーが散らばっているだけでした。

 

その後、特に私におかしなことは起こっておりません。

まぁ人が寝ようとしたところでラップ音鳴らしたり電気点けたりするってのは、純粋な悪戯心であり呪いの類ではないでしょうし、憑り着くシマもありません。

日本語でWeb検索してみましたが、ハイフォンの心霊現象に該当する経験談はありませんでした。

 スタッフに頼んでベトナム語でも検索してもらおうかと考えましたが、これ以上恐ろしさを感じる必要もないのでやめておきました。

 

以上、私のベトナムびじねすトリップ話でした。

みなさんも良いベトナムライフを。